妖怪のかくれんぼ

俺の名はキャブ。バイクに取り憑く妖怪だ。
本格的な冬が来た。木枯らしが吹きすさび、
外で遊ぶ子どもたちが皆無となったある日。
散歩に出た俺は、誰もいない公園で
紅五に出会った。

C
紅五!何しているんだ?

B
キャブか!いいところに来た!

C
どうしたんだ?

B
実はなぁ、人間たちの遊び
「かくれんぼ」をやろうって誘われてねぇ。
今、皆が集まるところを待っているんだよ。

C
かくれんぼかぁ!しばらくやってないなぁ。
誰が来るんだ?

E
木の柄にやろうやろう、って誘われたんよ。
他には、誰が来るかなぁ。

すると、木の柄と踊鬼がやってきた。

K
紅五姐さん!さむいよぉー!ニャンニャン師匠の
お店行こうよぉ。

O
ふん!この俺に勝てると思ったら大間違いだぞ!

B
来たねぇ!
っていうか、木の柄が誘ったんでしょ!
キャブもいるし、早速始めるよ!

C
え?俺もかw

B
飛び入りキャブ、鬼はお前からだねぇ!

K
うふふふ★私たちを捕まえられるかなぁ?

C
まあ、いいか!
確か、10数える間に皆が隠れるのだな?

K
そうそうwはやくやろっ★

C
じゃあ目を閉じるぞ!
10,9,・・・

俺は目を閉じて10数えた。

C
もうーいいーかぁーい?

 K B O
もぉーーーいいーーよぉおおお

木枯らし吹く無人の公園。
早速探すとするか。

しかし、相手は妖怪。
見つけるのは至難の業だが、だだっぴろい
公園は隠れるところが皆無と言っていい。

ふと、芝生の奥を見ると・・・
あれは!

B
こっこっこっこっこっこっ・・・

公園にニワトリ・・・明らかにおかしいw
俺はニワトリを追いかけた!
すると、突然ニワトリが向かってきた!

B
こけー!こけっこけっこけっ!こっけっけっけっけぇええええええ!

C
うわあああああああああああ!

と言いながらおれはなんとかタッチした。

ぼーん!

B
やるねぇキャブ。この私の変身を見破るとは!

C
・・・紅五。右目のバラの眼帯でバレバレだぜw

B
なっ!なんだってぇ!お前というやつはぁ!

ぼーん!

B
こけっこけっこけっ!
こっっっけぇえええええええええええ!

C
うわああああああ!やめろおお!いたいいたいいたいいたいいw

・・・俺は満身創痍になった。痛い。

さて・・・次は・・・ん?
公園に灯籠?w
明らかにおかしいw
しかも、角が生えているw

俺は後ろから蹴りを入れたw

ぼーん!

O
くっそーやるな!キャブ!

C
・・・踊鬼、変身は苦手なのか(汗)

O
えーいうるさい!
私に意見するとは!

C
めんどくさいなぁ(汗)

残るは木の柄だが、これが、どこを探しても見つからない・・・

C
おかしいなぁ。これだけ探してもいないってことは・・・

O
まさか!

B
ははーん!あの小娘!

俺達は揃って公園を後にした。
向かった先は!

ガラガラガラガラ

N
へい!いらっしゃい!

K
あー★みんなー★

B
みんなー★じゃないよ!木の柄ぇ!

C
おまえというやつはぁあああ!

O
ニャン様!先日はどうも!

K
ええー!だってぇ、寒かったしぃ、
あたし変身とかできないしぃ!

C
俺だって変身できないし、
バイクのキャブレターにしか取り憑けんわ!

K
まあまあ、みんなが来ると思って、
ニャンニャン師匠にお鍋作ってもらってるんよ!
さーさ!飲もう飲もう★

N
今日はタラチリ鍋じゃぞ!
さあ、あったまってくれ!

B
うわーおいしそ~★

C
木の柄!今日は奢れよ!

K
ええー(汗)いやだぁー(汗)

O
ニャン様!いただきます!

こうして、日没を迎えた居酒屋招き猫。
楽しい宴の始まりだ。

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