イビピーオの秘密

俺の名はキャブ。バイクに取り憑く妖怪だ。

妖怪の流行り病「なんでやねん」治療用ワクチンを
2年連続で制作、失敗した木の柄。

病の治療には成功するが、
服用したものが必ず「イビピーオ!」と
叫び徘徊するという副作用が出てしまう。

他の妖怪界隈では聞いたことのない
副作用だ。
これはやはり、制作者である
木の柄が原因ではないかと思われる。

C
師匠、今年はなんとか乗り切りましたが、
来年のためにも原因を突き止めたほうが
よくないですか?

N
しかしなぁ・・・
どうやって調べようかのぉ?

C
あの「イビピーオ」って言葉、
なんなんですかねぇ?
人間界の方言か何かですか?

N
さすがのわしも知らんのじゃよ。
木の柄にも聞いたが、
気がついたら口にしていたらしい。

C
物心ついた頃には既に、って
やつですか・・・

N
そう。だから、わしの読みでは、
木の柄が幼少期に、
何らかの形で聞いたのではないか、
と思っておる。

C
つまり、木の柄の、
幼少期の記憶を
取り戻せば、ワクチンの副作用
を防ぐ術が見つかるかも?ですね。

N
問題は、木の柄がそれを
望むかどうか、じゃな。
もし幼少期に辛い事があって、
記憶を封印しているとすれば、
無理に思い出させるのはコクじゃ。

C
そうですねぇ。
まあ来年からは、木の柄に
ワクチンづくりをさせないように
すればいいんじゃないですか?

N
それはそれで木の柄が
落ち込まんかのぉ。

C
むずかしいですねぇ・・・

そのとき!

K
話は聞かせてもらった!

N
うわああああああああ!

C
げ!木の柄!どこから出てくるんだ^^;

なんと!木の柄が日本酒の
徳利から現れたw

N
脅かすなバカモノ!
心臓が止まるかと思ったわ!

C
木の柄!
俺が注文した熱燗の徳利の中にw
飲み干したなw

K
キャブ!ごちそうさまです!w

N
やれやれ・・・話を聞かれたか。

K
ニャンニャン師匠!
ワクチン開発のため!
私は幼少期の思い出を
探ります!

C
木の柄、いいのか?
もし、辛い思い出が
あったら・・・

K
大丈夫!
・・・だと・・・思うw
でも、方法が問題ねぇ。

N
わしに心当たりがある。
記憶を呼び起こす、
特別な酒が手に入るかもしれん。

K
ニャンニャン師匠!
それは!美味いのかい?

N
なんじゃ急に馴れ馴れしいw
実はな、
わしが住む奥千町のチトウから、
50年に一度しか湧き出ないという
酒があるのじゃ。

C
ほお!それはすごい!
それを飲めば、記憶を取り戻せると。

N
ただ、あくまでも伝説じゃからな。
試したことがないからわからん。

K
師匠!
問題は味ですよ!味!
その酒は美味しいのかい?

N
また馴れ馴れしくw
それは素晴らしい美酒であった!
特に副作用もなかったしなぁ。
ただ、わしは記憶喪失ではないから
効果の程はわからん。

K
師匠!完全なるワクチン開発のため!
木の柄、あえて茨の道をいきますw
その酒を飲んで、
どうにかなっても
構わないwww

C
なにが茨の道だw
飲みたいだけだろうw

K
うるさいキャブ!
早速行くよ!奥千町!

C
ま!まてまてまてw
もう真っ暗だぞw
明日以降にしようぜ^^;

こうして、木の柄のイビピーオを
探るため、我々は明日、
奥千町へ向かうことになった。
果たして、木の柄のイビピーオの
ルーツとは!

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